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知者自知、仁者自爱(賢い者は己を知り、優しい者は己を愛す)ーー《荀子•子道》

IT企業で活躍する女性の交流会ーWINC に参加しました(上)

先日、先輩のご好意で推薦いただいた女性リーダー塾の関連コミュニティ?、
WINC (Working style Innovation with Cloud Computing)〜IT企業で活躍する女性の交流会〜」に参加してきました。

「WINC」とネット上で調べても、中々情報が出てこないと気付いて、
せっかくこのような素敵なコミュニティがあるのに、
もう少し広めたらいいなと、ブログに書こうと思いました。

 

 

WINCとは?

全称「Working style Innovation with Cloud computing」。

タイトルから一切女性というキーワードを感じとれないですが、
中身はIT分野の女性活躍推進を目指した企業間連携活動で、
女性ならではの視点から、
クラウド活用した「ワークスタイル」のあり方を提案すること、だそうです。

頑張ってググっても、2012年IT Mediaの記事しか出てきませんでした。
でも活動の概要についてわかりやすく説明しているので、結構参考になれると思います。

mag.executive.itmedia.co.jp

  • 概要

実際に参加して分かったことが、意外と結構前から発足されて、頻繁に活動を開催しているそうです。

2011年4月が第1回で、大体年2回(初年度は4回もあったそうです)で開催されます。
毎回異なるテーマについて、幹事企業が講演発表をし、
その後そのテーマについて参加者がグループに分けてワークショップを行い、
最後は結果発表という形で行われます。

  • 規模

私が参加した2018/7の回はすでに第17回となり、
参加企業は延べ14社、計36名の女性が参加しました。
企業もITベンダーやソフトウェア、SIerなどいろいろあり、
参加した女性のなかにもリーダーや次期リーダーの方々が複数いらっしゃいました。

IT企業はもともと女性が少ないが、
このような女性ばかりの環境はなんだか少し懐かしく感じました。
如何せん、女子大出身なので(笑)。

  • 歴代のテーマ

女性だからって、必ずしもいつも育休や女性の福利厚生など
働き方改革のみについて語るのではありません。
歴代のテーマを見てみると、さすがIT企業だなと思うぐらい、
先端技術のテーマもかなりありました。

ご参考までに、今までのテーマは下記通りです。
中でも結構興味深いテーマもあったが、
資料シェアされていないようで残念ですね…

f:id:winry0:20180726213205p:plain

 

今回のテーマ

私が参加した第17回テーマは、新たなITで実現するSociety 5.0です。

講演者の方はブロックチェーンの領域においても先駆者の方
(男性、個人名出してよいか悩むのでC様と呼ばせていただきます)で、
大変勉強になった濃い内容でした。

講座はいくつかのサブテーマはありますが、大まかに「Society5.0」、「OpenAPI」、「BigDataとAI」、「Blockchain」と4つに分けようと思います。

  • 1. Society 5.0

ドイツ(Industry 4.0)、中国(中国製造2025)、アメリカ(Industry Internet)など
各国の最新の社会コンセプトに対抗するため、
内閣府が提案された日本の社会コンセプトだそうです。

ホームページ(Society 5.0 - 科学技術政策 - 内閣府)ではこう説明しています。

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)

図にすると、こうなります。

f:id:winry0:20180726221219p:plain

 その中で、特に「健康」「移動(物流)」「サプライチェーン」「インフラ」「FinTech」という5つの戦略分野を掲げており、
ITを活用した超スマート社会を目指すということです。

 私的に12文字でまとめますとこうなるかなと思います。

業種連携、技術革新、社会促進

 

 実は、国連もSDGs (持続可能な開発目標)を掲げ、
世界的な規模で全17目標がありますが、
Society5.0もこれと似たり寄ったりのコンセプトです。

imacocollabo.or.jp

 

Society5.0で描いた未来生活について、
このホームページにこのようなコンセプトビデオがあります。
(余談:萌音ちゃんかわいい!イメージぴったりだな)

海外ではいくつかすでに実現していますが、
日本ではまだまだと感じています。
ぜひこのような社会が実現できるようになりたいですね!

www.gov-online.go.jp

 

  • 2. OpenAPI

このような社会を実現するのに一番重要なのは、実は技術のところではなく、
様々業種が相互連携することだと講師の方がおっしゃいました。
また、異業種間連携のキーとなるのが、
「OpenAPI+ブロックチェーンだといいます。
だが、日本ではなかなかその進み具合が遅いと感じられます。

 

日本と海外はイノベーションに対する目論見の一番大きな違いはなんでしょう。
いろいろ議論はなされていますが、その中でも特に言及されるべきなのがこれです。

日本は技術に先に目を向くが、海外は利用(ビジネス)が先だ。

 

もうネタとして古いと言われるほど、
タクシー業界をひっくり返したUber社も、
実は位置APIや決済APIなどいろんなOpenAPIをまず利用して、
ビジネスを先に確立しました。
十分なユーザー基盤を獲得し、膨大なデータを入手できたら、
次は自社からAPIを公開し、
例えばホテルやレストランなどに提供するというビジネスモデルに転換しています。

日本ではまだそう多くはないですが、
たまにUber Eatsのシールを貼ってあるお店やドライバーさんも見かけたりしますね。

 

Uberだけでなく、実は以前参加してたJMECでの講師からこういう話を聞きました。

数年前、JTBAPI公開してビジネスを拡大しようという提案を持ちかけたが全然相手にされず、
逆に当時まだまだ規模が小さいBooking.comが喜んでその案に乗ったそうです。
そして間もないうちに、Booking.comは世界最大の宿泊予約サイトに成長し、
あっというまにJTBのシェアを大幅に奪ったといいます。

 

また、銀行をはじめとする金融業界は扱うデータが敏感だという特性から、
中々オープン化しにくかったが、昨年金融庁から改正銀行法の推進により、
銀行からFintech企業へのAPI公開が義務付けされています。
Money Forwardに代表されるFintech企業はまさにその代表といえるでしょう。

以前から三井住友銀行のアプリはほかの銀行より使いやすいと愛用していました。
三井さんはかなり先進的なと思ったのが、
LINE APIと連携して一番よく使う残高確認と直近の入金確認をChatで簡単に確認できる仕組みを提供したところです。
ただ、最近のInstagram始まったという活動は謎ですね(笑)。

 

しかし、銀行からAPI公開することで、
ユーザーの利便性は確かに向上できたものの、
銀行にとってのメリットはあまり見えないというジレンマがあります。
そこで、実は銀行などの金融企業も他のサービスのOpenAPIを利用すれば、
自社のサービスの無駄な作業を減らし、
より高い付加価値のあるサービスを提供できるのではないかとも思います。
例えば、銀行に行ったら、カードや通帳はあるのに、
毎回伝票を書く必要があるとか、
印鑑を忘れるとまた家に戻って取りにいかなければならないとか、
いまだに現金しか受け取らないお店がたくさんあるとか
(原因の一つはカード決済の手数料だそうですが)、
不便なところはそのまま放置するのではなく、
利便性を高めるために打てる手はいくらでもあるのではないかと考えます。

例えば、わが祖国の中国では、
QRコードでキャッシュレス決済はもはや当たり前のことで、
すでに顔認証で注文できるレストランも存在します。
ETCを通った時も車を止めて現金を払うのではなく、
車のナンバープレートをカメラがスキャンして
そのままオーナーの口座からお金を引き落としたり、
ATMでは顔認証でお金を下ろしたりすることもできます。
保険業界も前払いや一括払いではなく、
実際の運行状況やドライバーの運転実績などに基づいた従量型保険料プランを提供したりしています。

このような生活も、日本でも実現できたらいいですね!

 

 

書きだしたら長くなってしまいましたので、
続きは次回にします。