JMEC第24期生として終了しました(実践編)
前回の座学編に続き、今回は実践編に入ります。
はじめに
平日の出社日より早く起きて、学生の気分に戻ったように一日中の連続講義を受けた毎週土曜日が12月までに終わりました。
しかし、その後待っていたのが、それ以上ハードな4ヶ月間でした。
実践では、実プロジェクトでクライアントの課題を解決するためのビジネスプランを書いて、
それをJMECのJudgeとクライアント両方にプレゼンする必要があります。
最終的に、Judgeは分厚いビジネスプランとプレゼンテーション両方のパフォーマンスを評価し、
総合得点より優勝チームを選びだします。
そのBPの提出締切日がまさかのGW明けの初日という鬼の設定でした。
ゴールデンウイークなんて完全に諦めて、
(のんびりすると)終盤で連続徹夜を覚悟しないと到底最後まで踏ん張れないと痛感しました。
JMECに興味のある人ならぜひそこをご注意ください!
GWの「G」はGrayの「G」です。マジで!
最初のチーム分け
私のチームは5人構成で、年齢や職種はもちろん、
国籍もアメリカ、インドネシア、中国、日本、日本&アメリカ(いわゆるハーフ)とすべてバラバラでした。
皆さんもそれぞれ個性的で、なかなか刺激のあるチームでしたね。
どうやら運営側は参加者の自己分析や性格診断テストの結果を元に、
メンバーの属性や職種を選別してチームを構成したそうです。
また、それほど頻繁ではないが、
貴重な助言を与えてくれる経験豊富なメンターとコンサルタントも各チームに二人ほどついてくれたので、非常に助かりました。
プロジェクトの進行
詳細なプロジェクトはNDA契約により、詳しく紹介できませんが、
私のチームにアサインされたのは、
日本市場に一度参入したがビジネスがうまく進めず、その打開策を求めているとある外資系企業の課題解決でした。
ほかのチームも、従来のビジネスと異なる業務の新規開拓だったり、日系企業の海外進出だったりなど、いろいろあります。
あまり詳しくない業界のビジネスモデルを、普段の仕事とまったく異なるトータルな視点から見渡し、コンサルティングライクなことを体験しつつ、
いかにクライアントのビジネスに役立てるのかを考えるのがとても新鮮で、かなり難しかったです。
初期
初期ごろは大体週1回の頻度でメンバー全員集まって、2時間ぐらいのMTGを行い、
どこから着手し、どういう方向で進み、どんなマーケットリサーチをして仮説を検証するかなど、活発に議論しました。
そこで一番お世話になっていたのが、このYahoo LODGEでした。
1回で最大2時間まで大きなモニター付きのMTGスペースを借りることができて、
ほんと、使いやすくてちょー助かった!
メンバーはお互い年が近く、かつ議論などもほぼ全部英語で行っていたので、
日本語みたいに先輩に気を使って敬語で話さなければならないとか、
自分の発言に気を付けながら話すとかの窮屈さもなく、
中々普段感じたことのない興奮さや楽しさを覚えて、
われながら結構積極的にアイデアを出しまくって貢献したなとちょっと自慢しました。
もちろん、日本語で自分の意思を伝えやすいときは、どうしても日本語で会話することもあります。
終盤に近付くと…
終盤に近づくと、怠けた代価をしっかり払う羽目になりました。
提出締め切り日が迫っている中、
ビジネスプランにいろいろ足りないところに気づいたり、
メンターからもっぱら指摘を受けたり、
数十ページの英文BPをみんなで協力しあって書き上げたがところどころ辻褄が合わなくて修正を繰り返したり、
プレゼンの準備が間に合わなく、
夜中までスクリプトを書いてセリフを覚えたりするなど、
今思い返せばよくあれで乗り越えたなと自分をほめてあげたいぐらいです。
課題と困難
本番のコンサルティング業務でも、プロジェクトを進むうえできっと何かしらの課題が生じるでしょう。
この臨時的に構成した属性ばらばらのチームももちろんいくつかの課題と困難に見舞われていました。
個人的に感じたもっとも大変な課題は下記通りです。
1.クライアントの連絡人が日本にいない
そうです。うちのクライアントは日本法人すらない、連絡人が海外在住でめったに日本に出張しにこない人です。
普段の連絡も基本メールベースですが、
幸い、連絡人は結構親切な方で、メールへの返事もそれなりに速かったことがかなりの救いでした。
2.マーケットリサーチのリソースと資金不足
チームによってはJETRO勤務やリサーチの経験のあるメンバーがいれば、
必要な情報DBへのアクセスが便利かもしれませんが、
うちのチームに誰一人市場調査の経験がなく、
ほぼインターネットのみ頼って調査レポートや、競合情報などを調べまくりました。
ただ、実際に調べて分かったことが、本当に重要で使えそうと思った調査報告は、
どれも高いです!数万円~十数万円なんて軽く超えます。
JMECからは5万円ぐらいの軍資金を頂きましたが、
その調査報告の価格を見たら、本当に雀の涙にしからならず、
自腹というわけにもいかなく、かといってクライアントにスポンサー頂くのも値段が値段で…正直すごく困りました。
もう一つ仕方ないことは、メンバーはほぼ全員社会人のため、
普段本業の仕事もありますので、そんなにたくさんの時間(特に平日)をプロジェクトに投入することができません。
それでも、必要な情報をなるべく無料で手に入れるために、Google先生のほか、
直接クライアントから情報や資料をもらったり、
休日にクライアントのパートナーに繋いでもらってインタービュを行ったり、
本屋に行ったり、オンラインアンケートを配ったりするなど、
ありとあらゆる方法を使いました。
JETROのDBも使おうと思っていましたが、まさか休日に開けず、平日の午後のみ公衆に開放することになったとは…
3.まさかの途中からメンバー欠員
もう一つ大きなダメージは、すごく頼りにしていたキーメンバーが自国の仕事で帰国せざるを得ない状況になったことです。
本物の案件ならあり得ないかもしれませんが、どうやらJMECの歴史上、別に珍しいことではないそうです。
今回は仕方のない事情でしたが、以前いきなり消息不明な幽霊メンバーや、途中で挫折してこなくなったメンバーもいたそうです。
そこも、JMECをやるうえで覚悟しなければならないことですね…
4.クライアントから必要な情報をもらえない
これも一つ大変なことです。
JMECプロジェクトのゴールの一つはビジネスプランを書くことですが、
各章立ての中に、特にFinanceのところは一番情報が足りないです。
ただし、思い返せば当たり前のことですが、
専業コンサルチームでもない私たちに、自社のクリティカルな財務状況を教えるわけにもいかないよね。
すごく納得できますが、自分たちが建てたプランが財務上にどれぐらいの収益をもたらせるかという仮説を立てるのに、
ある程度の基本情報がないととても判断が難しいです。
何回もクライアントにお願いしましたが、結局もらえないまま、
むなしい数字のFinancial Predictionになりました(それでも、ある程度根拠のある数字で作りましたが)。
最近コンサル関連の本から、こういうクライアントが協力してくれないという状況も実際よくあることだそうで、
それをまさに実感しましたね…
終わりに
長々と書き続けてきましたが、大変なことやつらい思いは確かにたくさんあって、
途中であきらめそうになったり、しんどくて怒り出したくなりそうな時もありましたが、JMECをやってよかったと心から言えます。
そして、優勝チームもおめでとうございます!フィンランドへのチケットをもらえて羨ましいですね~
JMEC 24 Winning Teams Announced! | JMEC
さすがに数十人の参加者と全員仲良くなるほど、自分はそこまで社交的な人間ではないが、
プロジェクトを進む中でチームメンバーとの親交を深めて、
それぞれ自分の夢や思いを持った素敵な人たちと友たちになれたのも一つ大きな財産です。
JMECを最後までやり遂げた人には、このような証明書をもらえます。
ただし、一番大切なのは、この半年間で手に入れたかけがえのない経験と成長ではないかと思います。
皆さんも、自分のタフさを鍛えたければ、
忘れられないGWを過ごしたければ、
素敵な人たちと出会いたければ、
自分をもっと成長させたければ、
ぜひ、JMECを体験してみてはいかがでしょう!
きっと、大切な何かに気づいて、人生において大切な一歩を踏み出せると思います!
以上